4.フロントナックル、リアハブのアルミ化


(1).フロントナックルのアルミ化
大きくパワーを大きく上げた状態で、荒れ地を爆走したり、サーキット走行で大ジャンプを繰り返すと、下記図に示したフロントアップライトのネジ穴が馬鹿になってきます(C5、C6の「MA4 3×12o」が入るネジ穴)。画像をクリックすれば拡大します。

このネジ穴が持たない

一般的なネジ穴の補強対策としては
(1).C5,C6部品が新品であれば、一度ネジを入れてネジ山を作る。
(2).ネジを抜いて、ネジ穴に瞬間接着剤を1滴入れ、速やかに爪楊枝などを差し込んでグリグリと満遍なく瞬間接着剤をネジ穴内部に塗り広げる。
(3).もしベアリング側にまで接着剤がはみ出ていたら、速やかに拭き取る(接着剤の厚みでベアリング入りにくくなる為)。
(4).瞬間接着剤が十分に乾くまで待つ(瞬間接着剤でも、1時間程度はジックリ待った方が実用強度は上がると感じます)。

以上の方法でネジ穴補強をすれば、かなりのパワーにも耐えます。
しかしブラシレス6.5T&リポのハイパワーで、荒れた砂利道を暴走したり、サーキットでの大ジャンプを繰り返すと、中・長期的にはどうしてもネジ穴が持たず、フランジパイプを紛失してしまいまます。
Cパーツ群は、このC5、C6パーツ以外に滅多に破損しませんので、アルミ化して強化してしまえば、Cパーツのスペア保有を減らせます(時にC1なども割れことがありますから、Cパーツを完全にゼロにはできませんが)。

この部分については、各社からアルミ製のナックルが販売されていますので、簡単に強化が可能です。しかし中には強度の劣る製品もありますから、ご注意下さい。
左側の写真は、3レーシングの「DF03-11/LB フロントステアリングブロック」です。ハードな走行を繰り返すと、細い部分が曲がってしまいます(ノーマルより弱い)。折れてしまった方もおられました。壊れてしまうのでは安価でも意味が無いと私は思います。
(筆者は、かなり無茶なハード走行もしていますので、「そもそも無茶し過ぎ」な面があります。本ページは「ブラシレス6.5T&リポ」環境で、かなりハードに走り込んだ場合を前提としたレポであることを、予めご承知於き下さい)
右側の写真は、スクエアのSDI-35 アルミフロントナックル(ダークインパクト)」です。価格は高いですが、厚みがあり大変丈夫で、壊れそうにもありません(かなり乱暴な走行もさせていますが、全く壊れる気配がありません)。
両者の違いは、設計思想の相違だと思います。3レーシングの方は、細くする為に加工の手間は多い様に思います(最低限の強度を保ちつつ、少しでも細く(軽く)する為に、わざわざT型に削られています)。スクエアの方は、単純に強度を上げる強化が目的、つまり設計思想(目的)の違いだと思います。
尚、スクエアからはDF-03用にSDI-35、DF-03Ra用にSDG-35がリリースされていますが、メーカに確認した結果、どちらも物は同一だそうです(判りやすいように型番を別けているそうです)。
3レーシングのフロントナックル スクエアのフロントナックル



(2).リアハブのアルミ化
リアのハブ(D4)も、ハードな走行を続けると破損するパーツだと思います。特に寒い日は、プラスチックが硬くなり、破損しやすいと思います。
Dパーツでは、このハブ(D4)意外には滅多な事で破損しませんので、ここさえ強化してしまえばDパーツのスペア保有を減らせせる為、長期的には安上がりになりますし、信頼性向上は大切だと思います。
蛇足ですが、壊れにくくするのは、とても大切だと思います。例えば、休日「よし遊ぼう!」と公園へ走らせに行っても、運悪く直ぐに破損しては辛いと思います。これがサーキットであればピットで修理も可能ですが、不安なパーツがあるとスペアパーツ保有もプレッシャーになりますし(これを書いている今日現在、タミヤのオンラインショップでは、Dパーツは在庫切れを起こしています。保有スペアパーツが尽きたら遊べません)。
リア・ハブ破損 D4



写真は、スクエアのSDI-42です。5oのスペーサーが付属しており、ホイールベースを、標準、5oショートホイールベース化、5orロングホイールベース化、と選べます。
私の場合は5oロングホイールベース化した結果、走りやすくなりました。
スクエアのSDI-42の取説 スクエアのSDI-42



また、Dパーツの中には、ボールデフメンテナンス時に閉めすぎて破損してしまいがちな「D5ナットホルダー」が含まれています。 ハイパワー時には、デフの締め込み加減の調整を入念に行う必要がありますが、DF-03のD5ナットホルダーは強く締め過ぎるとナットを保持しきれずナメてしまいやすいパーツとして有名で、デフ調整時に神経を使います(私も2度程、経験しました。外せなくなって焦った)。
ナットホルダーも強化しておくと、デフメンテが精神的にも楽になりますし、Dパーツのスペア保有を不要にできると思います。
写真は、スクエアからTA05用として販売されているSTA-27Hです。他にもDB01なども同じパーツと思われますので、ハイパワー化する場合は強化してしまった方が良いと思います(慎重にデフ締め付け具合を調整する限りは、例えハイパワーでもノーマルのD5ナットホルダーで十分ですので念のため)。
スクエアのSTA-27H D5ナットホルターとの比較


<2012/8/11追記>
上記で解説したアルミ製のフロントナックルやリアハブの写真には、DF-03の標準で使われている、金色の真鍮製ピロボールが付いています。
スチール製のピロボールにしようかと思いましたが、真鍮製は安いし、統一した方が良いかと単純に思って、真鍮製で統一していました(過去形)。
安い真鍮製のピロボール


しかし真鍮のピロボールは、安価である反面、柔らかい金属なので摩耗が激しいです(ちなみに、アルミ製のピロボールは、さらに摩耗が激しい)。
下記写真は、新品と使い込んだ真鍮製ピロボールの比較写真です(左が新品、右が使い込んだピロボール。クリックすると拡大します)。
摩耗して痩せたピロボールは、アジャスターを交換しても抜けやすくなってしまい、走行中に簡単に外れてしまいます。安いのは、ありがたいですが、次々にアチコチ摩耗してしょっちゅう交換するハメになり、困りものでした。
摩耗した真鍮製のピロボール



で、本題です。
この摩耗しやすい真鍮製のピロボールに付いて相談したら「真鍮製は摩耗以前に折れるから困る」とのこと。???
DF-03はミドルクラスなので、樹脂が比較的柔らかく出来ており(そのおかげて、破損が付きもののオフロードでは、強化対策さえしてしまえばパーツ代は安くて助かります)、クラッシュしてもピロボールが折れる以前に、樹脂のネジ穴が壊れて、ピロボールは折れません。
しかしグラス混入やカーボン混入の硬い素材を使ったハイエンドシャーシだと、樹脂が硬いので、真鍮製のピロボールはネジ穴にネジ部分を残して折れるんだとか。
ネジ穴にネジ部分だけ残して折れると除去が困難で、結果的にそのパーツは廃棄になる可能性が高いとか(ハイエンドは、パーツ代が高いですし)。
っと言うことは、アルミ製のフロントナックルやリアハブに真鍮製のピロボールを使っている場合は?
クラッシュ時に、やはりネジ穴にネジ部分だけ残して、折れる可能性が高いそうです。
そこで、折れる前に急いで丈夫なスチール(鉄)製のピロボールに交換しました。
フロントナックルやリアハブには、OP.968 5×5mmハード六角ピロボール (5個)を付けました。これで安心♪
フロントナックル リアハブ



蛇足ですが、金属同士なので(アルミのネジ穴にスチールのピニオン)、緩み止めのネジロック剤はシッカリ付けましょう。緩んで走り続けると、例えアルミのネジ穴でも、ネジ穴が壊れます故。(ラジコンの世界では、スプリングワッシャーでネジを緩み止めするより、ネジロック剤の方が一般的かと)
他、樹脂パーツへネジ込むピロボールは、ネジ部分の長いOP.969 5×8mmハード六角ピロボール(5個)が効果的です。ネジ部分が長いので、DF-03の柔らかい樹脂のネジ穴でも、ネジ穴が壊れにくくなります。

スチール製のピロボールは、とても耐久性が高く、真鍮製の様に次々に摩耗して外れまくって交換する手間が省けますし、寿命も長いので結果的には安くなると思いました。
大量に買った、真鍮製のピロボール、どうしよう(悩)
大量にある真鍮製のピロボール



ちなみに、ネジ穴の空いたメスのピロボールナット(スチール製)は、カスタマー扱いで品番9804206、4個入りで273円です。
スチール製ピロボールナット


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